漆 × 燃料タンク × アート

唯一無二のハーレーが誕生


経営者同士の何気ない会話から始まった、

漆芸家によるハーレーダビッドソン・スポーツスターXLH883のフルカスタム。

「バイクに漆を塗ったらどうなるか?」というシンプルな好奇心から、

伝統工芸である漆芸と、アメリカンモーターサイクルの代表格であるハーレーダビッドソンという、

一見すると全く異なる世界が融合しました。


バイク好きの知人に相談し、「絵になるバイク」として「ハーレーダビッドソン」、

そして「スポーツスターXLH883」というモデル名が挙がりました。

特に燃料タンクは、カスタムの定番パーツとして人気が高く、

漆芸とのコラボレーションに最適だと考えられました。 

中古の燃料タンクを手に入れ、まずは黒色の漆で全体を塗装。

そこから、伝統技法である蒔絵でロゴを再現し、螺鈿細工を施すなど、一点一点手作業で作り上げていきます。

特に、給油口周りの細かい螺鈿細工は、まるで宝石箱のような輝きを放ち、見る人を魅了します。


漆で仕上げられた本体に合わせるスタンドは、金属造形作家に依頼。 「生命を感じる」と表現されるほどの美しい曲線を描くスタンドは、まるでアート作品のようです。


ロゴマークの描き込みは、輪島の蒔絵師に依頼しました。しかし、作業中に漆の剥離というトラブルが発生し、プロジェクトは長期にわたって中断を余儀なくされます。

困難を乗り越え、ようやく完成したロゴマークは、漆の深みと蒔絵の繊細さを際立たせ、作品にさらなる魅力を加えています。


最後に、金箔を施したタンクの製作に取り組みます。彩色師の手描きによるロゴと、金箔の美しいコントラストが特徴です。「おもおし」と呼ばれる技法で金箔を貼り付けることで、しっとりとした上品な艶が生まれます。



漆芸、金属造形、蒔絵という伝統工芸と、アメリカンモーターサイクルという

現代的な文化が融合したこの作品は、まさに唯一無二の存在です。


 

お客様へ

このプロジェクトは、伝統工芸の新たな可能性を追求するものであり、

同時に、個人の趣味が高じて生まれた独創的な作品でもあります。

この作品を通じて、皆様に伝統工芸の美しさ、

そしてカスタムバイクの楽しさを少しでも感じていただければ幸いです。

 

この商品は純正燃料タンク(used)に再塗装した商品となります。